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くらしの店丹和NEWS~どこから始まった?~

皆さんこんにちは!

株式会社くらしの店丹和の更新担当の中西です。

 

~どこから始まった?~

 

ショートケーキ、シュークリーム、タルト、クッキー、マドレーヌ、チョコレート、プリン……。

今では洋菓子店へ行けば、色とりどりのお菓子が当たり前のように並んでいます✨

誕生日にはケーキを囲み、クリスマスにはデコレーションケーキを食べ、ちょっとした贈り物には焼き菓子を選ぶ。私たちの暮らしの中に、洋菓子はすっかり定着しています。

しかし、現在のような洋菓子文化が最初から存在していたわけではありません。

現在のケーキやパイ、焼き菓子につながる食文化は、長い年月をかけてヨーロッパで発展してきました。小麦を焼く技術、甘味料、卵、乳製品、香辛料、オーブンの進化、そして砂糖の普及など、さまざまな変化が重なりながら、少しずつ「パンとは違う甘いお菓子」が生まれていったのです。古代ギリシャ・ローマにも油脂などを使ったペストリーに近い食文化があり、中世以降になるとヨーロッパで菓子やパイの技術がさらに発達していったとされています。エンサイクロペディア.com

今回は、私たちが現在「洋菓子」と呼んでいるお菓子が、どのような歴史を経て形づくられてきたのか、その原点をたどってみましょう

砂糖が身近ではなかった時代の「甘いもの」

現在、洋菓子づくりでは砂糖が欠かせません。

スポンジケーキ。

クッキー。

クリーム。

キャラメル。

チョコレート。

どれを作るにも砂糖が重要な役割を果たしています。

しかし昔のヨーロッパでは、砂糖は現在ほど簡単に手に入る食品ではありませんでした。

中世ヨーロッパでは砂糖や香辛料、ドライフルーツなどは貴重な食材であり、とりわけ裕福な階層の食卓で使われることが多い存在でした。甘味を加える方法として、蜂蜜や果物なども利用されていました。ケンブリッジ大学出版局

つまり昔の「お菓子」は、現在のコンビニスイーツのように誰でも日常的に楽しめるものではありませんでした。

特別な日。

宴会。

祝い事。

王侯貴族の食事。

そうした特別な場に登場する、まさに「ぜいたく品」だったのです✨

現代では数百円で購入できるケーキも、歴史をさかのぼれば、限られた人だけが味わえる特別な食べ物だったと考えると面白いですね。

パンとお菓子は非常に近いところから始まった

洋菓子の歴史を考えるうえで、パンとの関係は欠かせません。

小麦粉へ水を加え、こねて焼く。

これはパンづくりの基本です。

そこへ、

卵。

油脂。

蜂蜜。

砂糖。

ドライフルーツ。

香辛料。

などを加えていくと、次第に私たちが現在イメージする「菓子」に近づいていきます➡️

現在でも、パンと洋菓子の境界が近いものはたくさんあります。

ブリオッシュ。

デニッシュ。

クロワッサン。

クグロフ。

などは、パン屋でも洋菓子店でも目にすることがあります。

これは偶然ではありません。

ヨーロッパの製パン技術と製菓技術は、長い歴史の中で影響し合いながら発達してきたからです。

「パンに豊かな材料を加える」

という発想が、さまざまな焼き菓子や発酵菓子を生み出していきました。

中世ヨーロッパのお菓子と宮廷文化

中世から近世のヨーロッパでは、王侯貴族の宴会文化が食文化の発展に大きな影響を与えました。

大勢の客を招いて料理を振る舞う宴では、

「味がおいしい」

だけでなく、

「見た人を驚かせる」

ことも重要でした

高価な砂糖。

珍しい香辛料。

ナッツ。

果物。

これらを使った料理や菓子は、富や権力を表現する役割も担っていました。

つまりお菓子は、

食べるもの。

であると同時に、

見せるもの。

でもあったのです✨

この考え方は、現在の洋菓子文化にもつながっています。

誕生日ケーキを華やかに飾る。

ウェディングケーキを高く積み上げる。

クリスマスケーキを美しくデコレーションする。

私たちは今でも、「お菓子を見て楽しむ」文化を持っています。

洋菓子の装飾性には、長い歴史があるのです。

香辛料も貴重な菓子材料だった

中世ヨーロッパでは、シナモン、クローブ、ジンジャーなどの香辛料も貴重な輸入品でした。

それらは料理だけでなく、甘い焼き菓子などにも使われました。砂糖と香辛料は長距離交易によってもたらされる高価な商品であり、裕福な層の食文化と深く結びついていました。ケンブリッジ大学出版局

現在でもヨーロッパには、

ジンジャーブレッド。

スパイスクッキー。

シナモンを使った焼き菓子。

などが数多くあります。

特にクリスマスの時期になると、スパイスをたっぷり使った伝統菓子が登場します

今では「冬らしい香り」と感じるシナモンやジンジャーも、かつては非常にぜいたくな材料だったのです。

砂糖の流通が洋菓子を大きく変えていく

洋菓子の歴史において、砂糖の普及は非常に大きな転換点でした。

17世紀のヨーロッパでは砂糖が紅茶、コーヒー、チョコレートなどと結びつきながら消費を広げていきました。砂糖の供給量や流通が増えていったことは、甘い飲み物や菓子文化の発展にも大きく影響しました。ケンブリッジリゾルブ

砂糖を使える量が増えることで、

スポンジ生地。

クリーム。

ジャム。

砂糖菓子。

アイシング。

など、洋菓子の表現方法も広がっていきます。

砂糖には単に甘味を付けるだけではなく、

焼き色を付ける。

食感を変える。

保存性に関わる。

泡立てた卵の状態を支える。

など、製菓上さまざまな働きがあります。

洋菓子の発達は、砂糖を自由に使えるようになっていく歴史でもあったのです✨

オーブンの進化もケーキの歴史を変えた

現在の洋菓子店では、温度を細かく設定できる業務用オーブンが使用されています。

しかし昔は当然、現在のような設備はありません。

火加減を確認しながら焼く必要があり、

「180℃で30分」

というように正確な条件で焼くことは簡単ではありませんでした

製菓では、わずかな温度の違いによって仕上がりが変わります。

スポンジが膨らまない。

外側だけ焦げる。

中まで火が通らない。

ということもあります。

17世紀ごろにはオーブンや型などの技術向上、精製糖の利用拡大を背景として、現在のケーキへつながる焼き菓子が発展したとされています。フードタイムライン

つまり洋菓子の進化は、料理人の技術だけではなく、

厨房設備の進化

によっても支えられてきたのです。

「パンのようなお菓子」からケーキらしい姿へ

昔のケーキは、現在のふわふわしたスポンジケーキとは大きく異なっていました。

パンに近い、ずっしりとした焼き菓子も多くありました。

そこから、

卵を泡立てる。

バターを使う。

砂糖を加える。

型で焼く。

クリームやジャムを挟む。

といった技術が発達し、ケーキは少しずつ現在に近い姿へ進化していきます

「生地を焼くだけ」

だったものが、

生地。

クリーム。

果物。

チョコレート。

砂糖細工。

などを組み合わせる複雑な洋菓子へ変わっていきました。

パイ・タルト文化の発展

ヨーロッパの菓子文化を語るうえで、パイやタルトも欠かせません

小麦粉と油脂などを使った生地で具材を包んだり、土台にして焼いたりする技法は古くから存在しました。中世後期から17世紀にかけてペストリーの技術や種類は発展し、甘い菓子にも広く応用されるようになっていきます。エンサイクロペディア.com

果物をのせる。

クリームを入れる。

ナッツを使う。

チーズを入れる。

地域で採れる材料によって、さまざまなお菓子が生まれました。

そのためヨーロッパの洋菓子を見ると、

フランス。

イタリア。

オーストリア。

ドイツ。

イギリス。

など、国や地域によって大きく特徴が異なります

洋菓子は一つの国から生まれたものではなく、ヨーロッパ各地の食文化が重なりながら発展していったものなのです。

バターが生み出した豊かな香り

現代の洋菓子に欠かせない材料の一つがバターです

クッキー。

パイ。

フィナンシェ。

マドレーヌ。

パウンドケーキ。

など、バターの香りがおいしさを決める菓子はたくさんあります。

地域によって乳製品の利用方法は異なりましたが、バターやクリームを菓子へ取り入れることで、味わいや食感はさらに豊かになりました。

小麦。

卵。

砂糖。

バター。

非常にシンプルな材料でも、配合や混ぜ方、焼き方を変えるだけでまったく違った洋菓子になります。

ここに「パティシエの技術」という文化が育っていきます‍

‍専門職として発展する菓子職人

お菓子が高度化するにつれて、専門的な技術を持つ職人の存在が重要になっていきました。

生地をつくる。

クリームをつくる。

チョコレートを扱う。

砂糖を加工する。

焼成を管理する。

美しく仕上げる。

これらには、それぞれ技術が必要です。

現在のフランス語で「パティスリー」は菓子そのものや菓子店を表し、菓子職人を「パティシエ」と呼ぶ文化が世界へ広がっています

現代では日本でも「ケーキ屋さん」ではなく、

「パティスリー」

という看板を掲げる店が珍しくありません。

そこには、長く積み重ねられてきたヨーロッパの菓子職人文化があります。

宗教行事・祝い事と洋菓子

洋菓子の歴史を見ると、宗教行事や祝い事との結びつきも非常に深いことが分かります。

クリスマス。

復活祭。

結婚式。

誕生日。

収穫祭。

地域の祝祭。

その時期だけ作られるお菓子が数多くあります✨

ヨーロッパ各地では現在も、クリスマスシーズンに伝統的なクッキーやケーキ、発酵菓子を作る文化が受け継がれています。Vogue

つまり洋菓子は、

「お腹を満たすもの」

だけではなく、

人と人が特別な時間を共有するための食べ物

として育ってきたのです。

これは現在の日本でも変わりません。

誕生日。

結婚式。

クリスマス。

母の日。

記念日。

そこには必ずと言ってよいほど洋菓子があります

各地域の文化が個性的な洋菓子を生み出した

ヨーロッパと一言で言っても、食文化は地域によって大きく異なります。

果物が豊富な地域では果物のタルト。

乳製品が豊かな地域ではバターやクリームのお菓子。

ナッツが採れる地域ではナッツ菓子。

寒い地域では保存性を考えた焼き菓子。

その土地で手に入る材料が、その土地のお菓子を生み出してきました

だからこそ洋菓子には、単なるレシピ以上の意味があります。

お菓子一つひとつに、

気候。

農業。

交易。

宗教。

暮らし。

が反映されています。

洋菓子の歴史を知ることは、ヨーロッパの文化や暮らしの歴史を知ることでもあるのです。

まとめ

現在私たちが楽しんでいる洋菓子は、ある日突然誕生したわけではありません。

小麦を焼く技術。
蜂蜜などの甘味。
砂糖の流通。
卵。
乳製品。
オーブンの発達。
‍菓子職人の技術。

これらが長い年月をかけて組み合わされ、現在の洋菓子文化へつながってきました。中世には砂糖や香辛料は高価な食材でしたが、近世以降の交易や生産拡大によって甘味文化は大きく発展し、17世紀には現在のケーキにつながる製法やペストリーも多様化していきました。ケンブリッジ大学出版局

そして何より興味深いのは、洋菓子が昔から、

「特別な時間をもっと幸せにするもの」

であったことです✨

王侯貴族の宴から、現在の家族の誕生日まで。

時代や場所は変わっても、人は甘いお菓子を囲みながら喜びを分かち合ってきました。

洋菓子の歴史とは、技術の歴史であると同時に、人々の幸せや祝いの文化の歴史でもあるのです